食器のシェアリングサービスEPOCH TABLEの夏休み特別プロジェクト「#FOODラボプロジェクト」
第2回の記事になります。
「#FOODラボプロジェクト」とは、EPOCH TABLEのスタッフがこの自粛期間中、あらためて気づいた食や器で楽しむ日常について、“より深く食と器を知り、楽しむ研究をしよう!”を合言葉に、食の専門家の方々から様々なお話やアドバイスをいただき、そこからの発見・驚き・学びを得るための企画。「好きを仕事に」を企業理念として、手芸やフラワー、食分野の講師育成を行なっているオールアバウトライフワークス様にご協力をいただき、毎回、様々な食の専門家さまへのインタビューをさせていただきます。
さて、それでは早速! 今回お会いさせていただいたのは・・・?
NHK人気番組へのご出演直後!
フラワーゼリーの第一人者 田邉先生に会いに行ってきました。
夏真っ盛りのある日、都内にある田邉先生のオーダーメイドスイーツの工房が併設されたアトリエを訪ねました。
笑顔で出迎えて下さった田邉先生、アトリエの中はまるでお菓子の国。沢山の美しいスイーツに囲まれたアトリエで#FOODラボプロジェクト開始です!
編集部「先生、本日は宜しくお願い致します。あいにく私、フラワーゼリーについて無知ですので、本日は先生に一からお教えいただきたいと思っております。」
田邉先生「はい。こちらこそ宜しくお願いします。」
編集部「それでは早速ですが、先生がこれまでフラワーゼリーの第一人者になるまでのお話を伺っても宜しいでしょうか。」
田邉先生「はい。私は30年近くシュガークラフトを中心としたオーダーメイドスイーツを作ってきたんです。」
編集部「オーダーメイドですか?もしかしてこのアトリエにある壮大なケーキもオーダーメイドなのでしょうか?」
田邉先生「CMやタレントさんの記者会見、モニュメントとしてこれまで多くを手掛けてきました。同時にシュガークラフトの教室も長年行なってきました。」
編集部「シュガーの世界からフラワーゼリーに!」
田邉先生「7年位前でしょうか。当時、私の教室の生徒さんにペルーと日本のハーフの方が習いに来られていたのですが、ペルーの伝統スイーツのフラワーゼリーを日本で広めて欲しいと彼女に言われたんですよ。それがペルーの伝統菓子であるフラワーゼリーとの出逢いです。」
編集部「先生の著書を編集部内で拝見していたのですが、まるで水中花のように美しく、どのように作られているのだろう・・・?と。そして色々なモチーフのフラワーゼリーが本の中に登場している事にも驚きました。」
田邉先生「作り方を教えにそのハーフの生徒さんのご親戚がペルーから来日して下さったんです。作り方を教えて頂いて、ペルーらしい花々がセリーの中に咲いていきました。そこからやはり私達の国には四季がありますから、日本らしい優しい色のお花や季節柄を大事にしたフラワーゼリーの考案が始まったわけなのです。」
編集部「やはり先生オリジナルのデザインだったんですね~!」
田邉先生は笑顔で頷きながら、2冊の本を持ってきてくださいました。
1冊は私たちが拝見していた日本語で書かれた先生の著書。あれ?同じデザインでもう一冊、表紙を拝見していると・・・。
田邉先生「もう一冊は中国版のフラワーゼリーの本なんですよ。」
編集部「中国版でしたか。日本の美しい物に中国の方はとても興味を持ってくださいますから、先生の著書も中国で人気なんですね。」
田邉先生「実はこのフラワーゼリーを作るのにお道具が必要なのですが、細かな作業がしやすく、私のオリジナルデザインも作りやすくなるようなお道具の開発などもオールアバウトライフワークスさんと一緒に行なっています。国産で安心・安全にも拘っています。スイーツですからお子さんが作っている最中、お口に入れても安全な物、色味が綺麗なだけでなく美味しさにも拘っています。ゼリーを通して日本の季節にも触れる事が出来るようにと考えています。」
編集部「美しすぎて絶対私には出来ないような気がします…。」
田邉先生「いえいえ、この前は番組で人気俳優の方がチャレンジしました。デモストレーションを見ていただいた後、練習なしで一発勝負で成功されたんですよ。」
田邉先生はこれまでCM・広告で使用されるオリジナルスイーツや、帝国ホテルで毎年開催されるスイーツアート展の巨大モニュメントなどを手掛けていらっしゃいます。
ビジュアルで目を惹くスイーツの世界を牽引されてきた先生が常に考えていらっしゃる、手を伸ばし口にしたくなるような色。
そして、日本で見る事が出来る四季折々の花々を楽しめるデザインの研究により実現される美しい世界。
この後、EPOCH TABLEの器からイメージしていただいたオリジナルフラワーゼリーが登場します。
食べる方やシーンに合わせてサイズを変える、田邉先生流おもてなしの心とは
編集部「ではこれから実際にEPOCH TABLEのコーディネート「フラワーズティータイム」のお皿を使用した器の楽しみ方をお教えいただいても宜しいでしょうか?」
田邉先生「お持ちしますね。」
先生はプレートに載せられた大きなフラワーゼリーと、小さなカップのフラワーゼリーを持って来て下さいました。
田邉先生「お皿の絵柄を事前にEPOCH TABLEのWEBで観ながらオリジナルで考案しました。お花とお皿の位置のバランスも大切なので、その点も考えて。」
編集部「たいへん恐縮です。フラワーゼリーなど”スイーツと器を楽しむポイント”をレクチャーいただいても宜しいでしょうか?」
田邉先生「色々な楽しみ方があって良いと思いますが、“色” “形” “質感”全ての調和を取る事も大切ですよね。今回はこちらの器でとの事でしたので、器の絵柄でフラワーゼリーを作りました。器に合わせたりインテリアに合わせたりなど、絵画のようにデザイン出来る事もスイーツ作りの魅力です。」
編集部「オリジナルでご制作いただけるとは考えてもおらず、このような事が出来るフラワーゼリーの世界にもとても驚きです。器の大きさなど問題はなかったでしょうか?」
田邉先生「実は今回、同じ絵柄で小さなサイズのフラワーゼリーとこちらの大きなサイズを作りました。ペルーではお祝いの席にこうした大きなフラワーゼリーで祝うそうなんですよ。調和が大事ですから、実際に食器を手にしてとても華やかでしたのでお祝いの席をイメージし、こちらの大きいサイズのフラワーゼリーケーキを器に盛りつけました。おもてなしのシーンや食器に合わせて大きさなどの調和を考え、食べる方に合わせてひと口サイズにしたり大きなサイズにしたりといった感じです。」
編集部「食べる方に合わせてスイーツの大きさまで配慮されているのですね。先生のアイディアはおもてなしの席での器やスイーツ選びにとても良い勉強になります。」
1枚のプレートから、“色” “形” “質感” “大きさ” のバランスを考えられ、用意された美しいスイーツ。
田邉先生流のおもてなしの心は、私たちが器と食の組み合わせを考える際、一番大切にしなければいけない事なのではと、深く考えさせられました。
驚いた顔や笑顔を想像しながらのスイーツ作り
編集部「今回のプロジェクト、実は“より深く食と器を知り、楽しむ研究をしよう!”と言う合言葉があるのです。先生がフラワーゼリーやシュガークラフトなどのスイーツを作る際、大切にされている事を教えて下さい。」
田邉先生「常に新しいアンテナを張っていますよ。最近はSNSやブログからフラワーゼリーの事を知っていただいたりする時代ですから、食器との組み合わせはビジュアルに於いてとっても大切ですね。ちょっとお待ちください。」
と、先生がまたまた素敵なフラワーゼリーを持ってきてくださいました。
編集部「とっても素晴らしいですね!こちらは…?」
田邉先生「ナンバーケーキと言うんですよ。海外からブームがやってきて若いママさんの間でも人気です。お子さんの年をモチーフにしたり、誕生月をモチーフにしたりと、とても人気です。」
編集部「誕生日にこのようなケーキが出てきたら感動します。」
田邉先生「私は人の驚く顔や笑顔が見たくて、この仕事をやっているんだと思うんです。
器の組み合わせを考えるのも同じで、例えば夏のバースデーケーキだったらこのようなガラスの器に盛りつけると夏らしくお楽しみいただけるのではと。」
編集部「本日はおもてなしの心を学ばせていただき、とても勉強になりました。先生有難うございました。」
田邉先生プロフィール
米国スィーツ業界トップメーカーのウィルトン社公認の自宅では世界初のケーキデコレーションクラスを開講する。ネスレチョコレートキャンペーン賞品のジオラマ制作、キリン午後の紅茶CM用ケーキ制作等難易度の高いアートワークもこなしTV、CMを始め大手企業やメディア、ファッション誌やウェディング誌からの依頼も多い。
#FOODラボプロジェクト 今回のワンポイントワードレッスン